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G.17.3.4 応答スペクトル

これにより、地震荷重を対象とした構造物の解析が行えます。任意の与えられた応答スペクトル(加速度-周期、または変位-周期)に対して、ジョイント変位、メンバー力、およびサポート反力がスペクトルの解に用いられた各モードで計算されます。これらの個々のモード応答は、合成応答を得るために、2乗和の2乗根法(SRSS)、完全2次合成法(CQC)、ASCE4-98法(ASCE)、10パーセント法(TEN)、または絶対値法(ABS)のいずれかを使用して合成されます。応答スペクトル解析の結果は、その後の設計を実行する上で、静的解析の結果と組み合わせることができます。地震動が正負両方向に作用することを考慮するために、地震の正負両方向の影響を含めた荷重組み合わせを作成できます。

中間断面での力とモーメントの計算

静的荷重では、メンバーのスパン内に荷重が適用されていない場合、任意の自由度(FX、FY、FZ、MX、MY、およびMZ)に対して、中間スパン位置の力またはモーメント値は、メンバーの始点と終点におけるその自由度の値を線形補間することによって計算できます。

ただし、応答スペクトル荷重ケースの場合、このアプローチは個々のモードベースで適用され、その後、入力で指定された組み合わせ方法を使用してモーダル値が組み合わされます。計算の詳細は次のとおりです。

特定のメンバーについて、RAPとRBPという用語を次のように定義します。
  • RAP = メンバーの始点(終点A)におけるモードPで検討中のDOFの力/モーメント値
  • RBP = メンバーの終点(終点B)におけるモードPで検討中のDOFの力/モーメント値
注記: RAPとRBPは、個々のモードレベルであるため、符号付きの数量です。

線形補間を使用して、メンバーの長さに沿って11個の等間隔の中間セクションのそれぞれでそのDOFの値を計算します。

したがって、ここでは、RIPという用語をモード"P"の断面位置"I"で検討中のDOFの値として定義します。

スペクトル解が"N"モードに基づいている場合、断面位置"I"におけるそのDOFの結果値は次のように得られます。

SRSS(RI1, RI2, RI3, RI4, …, RIN)

または

CQC(RI1, RI2, RI3, RI4, …, RIN)

または他のモーダル組み合わせ方法についても同様の計算を行います。

上記の方法で計算された値は、PRINT SECTION FORCESコマンドを使用して出力ファイルで取得でき、後処理モードでは表形式または図形式で取得できます。

完全2次合成法

この方法は、"A Replacement for the SRSS Method in Seismic Analysis"Earthquake Engineering and Structural Dynamics、Vol. 9 p.187~192、E.L. Wilson, et al、1981年)で最初に説明されました。STAAD.Proで使用されている方法は、Edward L. Wilsonによる教科書「Three Dimensional Static and Dynamic Analysis Of Structures」に記載されているものです。

CQC法を使用すると、ピーク力は次の式を使用して計算されます。
F=nmfnρnmfm
意味
fn
=
モードnに関連するモード力
ρnm
=
クロスモーダル係数
=8ζ2(1+r)r3/2(1r2)2+4ζ2r(1+r)2
r
=
ωnm ≤ 1.0
ζ
=
減衰比。DEFINE DAMPING INFORMATIONコマンドを使用してモード減衰を定義する場合、ここでは対応するモードに使用されます。それ以外の場合は、構造全体の一定の減衰または複合減衰が使用されます。

同様の数式を使用して、変位やその他の合力応答を決定します。